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鳥の歌は古代から人の心を惹きつけ、特にその音楽的な特性は、メシアンなど多くの音楽家を魅了してきました。面白いことに、歌鳥が人の音楽を好むという報告もあり、歌鳥は、なんらかの美的感覚を用いて、歌を生み出し、他の鳥の歌や人の音楽を鑑賞しているのかもしれません。

音楽は、有史以前より様々な文化圏で生み出され続けており、人の根源的な営みであるといえます。音楽には、人の美的感覚を刺激して、快の感情を喚起する性質があり、音楽が情動や共感に与える劇的な作用は、宗教や思想の広告にも利用され、社会の潮流に大きな影響を与えてきました。また音楽は、薬としても機能し、痛みを軽減したり、心的ストレスを緩和する他、様々な神経疾患への治療効果も報告されています。しかし、どのようにして音楽がこれらの機能を担っているのか、その詳細な脳メカニズムはわかっていません。私たちは、歌鳥が美的感覚をもっている可能性に注目し、鳥の歌が音楽のような様々な精神作用をもっているのか、また、歌鳥の音に対する嗜好がどこから生まれているのかについて調べています。

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